以前、ツナ缶を使った手作りアルコールストーブについての記事を書きましたが、市販品に比べて二次燃焼が始まるまでに時間がかかり、一次燃焼が長いことから、燃焼効率が悪いのではないかと感じていました。その原因を探る中で、市販品の多くは内壁がすり鉢状に狭くなっていることに気づきました。一方、私の作ったストーブはアルミ板を巻いただけの円筒状の内壁でした。この形状の違いが燃焼効率に影響しているのではないかと考え、比較検証することにしました。
市販品の一例
新たなストーブの作成
今回、ツナ缶ストーブと同じ材料と工程で、内壁部分だけ形状を変えた新しいストーブを作りました。内壁にはボトル缶飲料の口の部分を使い、市販品に近いすり鉢状の形状を再現しました。
燃焼効率の比較検証
以前作ったものと、新しく作ったものを同時に並べ、同量の燃料(20mℓ)で比較実験を行いました。
二次燃焼開始までの時間
新型: 43.61秒
旧型: 1分44.18秒
燃焼終了までの時間
新型: 4分14.12秒
旧型: 9分23.15秒
火力の違い
一目でわかるほど新型の方が火力が高く、炎も大きく安定していました。
←新型 旧型→
考察
今回の比較では、内壁の形状を変えるだけで燃焼効率に明らかな違いが出ました。燃焼時間だけを見ると旧型の方が長く見えますが、燃焼効率では新型が優れています。特に、二次燃焼の開始時間が新型は半分以下に短縮され、さらに二次燃焼の継続時間も長い結果になりました。
旧型は一次燃焼の時間が非常に長く、燃料が効率的に気化されていないことがわかります。一方、新型は内壁がすり鉢状で、内外の容量の違いが燃焼に大きく影響していると考えられます。わずかな形状の工夫でも、これほど性能に違いが出るのだと改めて実感しました。
工作の世界は、まさに奥深いものです。